私が国家I種技官にならなかった訳・・・インテリは教養人とは限らない

 そもそも、私は、「応用科学専攻」の修士(マスター)でした。ただ、量子化学をやっていたことと、趣味で中学のころから、パソコンを作ってきたことから、ネイティブはCとC++です。
 修士からドクターコースに行くかかなり悩んだ結果、そのころ日本の1回目のバブル崩壊の時期だったので、ドクターコースを諦めました。(いわゆるポスドク問題を知ったためです)
 今考えると、そのとき完全に鬱だったと思います・・・フリーターからやりなおしです。
 土木工事で泥だらけになって、夜の木工所で「血だまり・・・労災事故」を見た後、小さな工業用ゴム工場に入りました。どうやら、日本以外でもそうらしいのですがゴム屋さんっていうのは、脛に傷を持つ人多いし、知的障害を持つ方などの就業率も多かったようです。技術者とは仮の名前、混錬する薬品を図ることも知らない、本当のブルーワーカーができないので、カーボンブラックで真っ黒になりながら、働く始末です。くたくたで、かえって食って風呂して寝るだけでした。
 ただ、国Iの本は、寝る前に読んでいた・・・ただそれだけです。
 そして、30になる前に受けようと、国家I種と労働基準監督官(B:技術区分)などを受けてみました。
 なんと、国家I種(しかも専攻と違う、情報)で受かってしまったのです。一緒に労働基準監督官Bも受かりました。
 やった勉強は、夜寝る前に、本を読んだだけ・・・私はだたラッキーなだけで、ついていけないだろうなと思いました。そして、官僚バッシングも多かったので、結局辞退しました。
 でも、ここになって。思い返しました。寅さんと渥美好の言葉と民主主義の反省です。

寅さんは教養をどう見ていたか

「民主主義は最悪な政治といえる」という言葉の真意

 たしかに、国家I種合格=インテリ、かもしれません。でも寅さんたちの言う通り、インテリは教養人とは限らないのです。
 問題を起こしている官僚の発言はどう考えても子供でもやっちゃいけないことで、炎上しています。また、民主主義という訳がいけない、民衆主義だというのもうなづけます。アメリカ国民が選んだからと言って、大統領のブッシュ親子が、戦争をして良かったのか。結局、ヒトラーですら、(結構悪辣な手は使ったけど、形の上では)民主主義で選ばれ、そして、議会の多数によって独裁を手にしました。(その後のドイツでは、民衆主義より、倫理が優先だとしているようです)
 その民衆主義が、正義とされ、政治家への配慮で、自死された官僚すらいます。
 西洋から入ってきた便利な考え、「自由、民主主義、資本主義」には、やっぱり限界があり、亀裂が入っています、しかもコロナ下で、「自由貿易は正義」なのかにも疑問を持たれています。(ズバリ、あの時マスクが4万円で売られていたのが、神の手(=悪魔の碾き臼)なのです。)我々は、いま、問題がなになのか、気づいてきているのではないのでしょうか。
 話を戻します。
 私は、まだあの時、国語や社会が嫌いだった、特に経済は不自由そうで嫌だったので、うまく言えなかったのです。でも今なら言えます。
 寅さんはかっこいいわけでもないのです。でも、「インテリと教養人」、「民主主義と民衆主義」の違いをなんとなく日本人がすでに持っていた知恵で語っている気がします。
 ずばり、バブルがはじけていても、「馬鹿なインテリ」になるよりは、「苦労して教養人」になることを選んだのです。

 

日記

Posted by masterkudo